構造とプランは対のものです。地震に強い家はプランによって左右されます。
変形したプランであれば、構造的な補強が必要になります。逆に構造に素直なプランであれば構造的な補強がなくとも十分な強度を確保することができます。
構造的な補強が必要になるほどそこには費用もかかります。
しかし、構造の合理性ばかりに気を取られるとおおらかな空間にならない場合があります。この構造の合理性と空間の意匠性には天秤のような関係性があります。バランスの取れた空間は構造とプランが強い緊張感の上に結ばれています。
壁量計算や構造計算をする以前にプランの段階で、ある程度地震に強い家かどうかはわかります。構造計算はプランの整合性を裏取りをする工程です。また同時にプランの可能性に対して新たなインスピレーションを与えるものにもなります。
求める要望が実現するプラン、また構造的な破綻のないプラン。この二つのプランに対する要求が一致する交差点において家に力強い骨格を生み出します。