桐原の改修

長野市内に建つ、築約70年の木造平屋。かつて本家として、親戚一同が集う場であったこの住まいには、家族の記憶と歴史が幾重にも折り重なっている。
本計画では、建物の骨格を尊重しつつ、現代の暮らしに即した大幅な改修を施している。
毎年の法要など、親族が変わらずに集まれる場としての「かたち」を残すため、新築ではなく再生の道を選んだ。
建築基準法施行以前の建物であったため、確認申請の履歴もなく、現行法への適合が必要だった。基礎は打ち直し、構造は一から見直して補強。寒冷地である長野市の気候に対応すべく、断熱性能も高め、Ua値0.30W/㎡Kを実現している。
家族5人が暮らす住まいとしての快適性と、本家としての開かれた空気感。その両立を目指し、素材や寸法、光の取り込み方に至るまで細やかな設計を心がけた。
用途:住宅
所在地:長野市
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施工
設計・施工/北野克彌建築事務所 担当:北野克彌 大工工事:グラフト 中村工務店 設備:山陽工業 電気:大和電気 左官:石坂タイル 建具:KIKADO
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外部仕様
屋根:瓦ぶき 外壁:ジョリパッド吹付け 開口部:リクシル TW EW ポーチ:タイル張り
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内部仕様
床:あずみの唐松 壁:中霧島壁ライト 天井:中霧島壁ライト
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設備システム
換気:第一種熱交換換気システム 空調:ヒートポンプエアコン(床下) 給湯:ヒートポンプ給湯器