大潟の家

海にほど近いこの住まいは、自然素材の質感と柔らかな曲線が織りなす、穏やかな暮らしの舞台である。

平面計画においては二つの棟が接続しくの字の構成になっている。

一方は道路に対して正対する車庫棟。一方は南北方向に直交する居住棟になっている。

それぞれの棟の交差部が玄関ポーチとなっている。隣接して階段を配置し2階においても垂直動線によってそれぞれの棟へ動線が振り分けられる構成になっている。

木と左官の素朴な表情に寄り添いながら、随所に設けたアールの壁や開口が、光と影をやさしく受け止め、静かな日常を作る。

若い世帯の新しい生活の器として、過度な装飾ではなく、触れることで温もりを感じられる質感を大切に計画した。

木の香り、塗装の手触り、差し込む光の揺らぎ。それらが重なり合い、親しみのある空間を目指した。

ダイニング入口。突板張りの引き戸。
ダイニング。壁は珪砂入りEP塗装。
リビングとダイニングは厚いアーチによって区切られそれぞれが独立した空間をつくっている。
アーチ詳細。リビング側は羽目板のオイル塗装。
手摺詳細。持ち手上部にアールを施し、つかみやすい形状にしている。
階段室。天窓からの光が階段上部の天井にグラデーションをつくる。
寝室入口。ダイニング入口と同じ意匠の引き戸。ここでは白く塗装し柔らかい印象にした。
寝室のヘッドボードに窓を寄せてつくり、壁面沿いに光が落ちる。

用途:住宅

所在地:新潟県上越市

  • 外部仕様

    屋根:ガルバリウム鋼鈑葺き 外壁:杉板羽目板貼り 開口部:リクシル TW EW ポーチ:タイル張り

  • 内部仕様

    床:あずみの唐松 壁:珪砂入りEP塗装 天井:珪砂入りEP塗装